はてなのビジネスモデルの崩壊の予兆


いつもコメントをいただくid:newmemo様へのコメントを書いていたら「これはダイアリーのネタになる」と気づいてしまいました。 それなら他の方にも読んで貰おうということで、こちらに書く事に致しました。


私は他のナレッジサイトを利用していないのでわかりませんが、「はてな」には自由度があったと思います。

しかし、今回の回答拒否の問題でその自由度が制約されている気がしています。

id:newmemo様がお書きになっている様に1ユーザーの直接IDによる回答拒否設定を共有できる仕組みはどう考えても不可解です。

不良回答者排除には一定の効果がでたと思います。

ただし、普通の回答者の回答権の制約も起こりました。

今のところは人数設定で20人という方が多いので、1割程度の回答不能になっていますが、ユーザーが人数設定を下げるともっと回答不能が増えていきます。

そうすると、回答者は「はてな」に存在理由を見出せず、アクセスをやめてしまう危険性が出てきました。


質問者保護は大切な事です。「はてな」のビジネスモデルは人力検索に限ってみると、質問者から料金を徴収し手数料を差し引いて回答者に分配するモデルです。

つまりは質問者を守らないと手数料が入らない事になります。

だから質問者保護は一番の命題だったと思いますし、それは「はてな」の発展に一番寄与すると考えられて来ました。

しかし、質問者の過剰な保護は反対に回答者軽視にもつながります。

このサイトが無料であれば、質問者と回答者のバランスが取れる仕組みが作れますが、有料である以上はどちらかに比重を置かざるを得ません。


この事をゴルフ場に例えると質問者はメンバーで回答者はビジターみたいなものです。

ゴルフ場はメンバーを重視して、色々はサービスを提供します。
しかし、ビジターにはそこまでのサービスはありません。
なぜならビジターは一度限りでリピーターになるかどうかわからないからです。
今の「人力検索」はそれと同じじゃないでしょうか?

ただ、ゴルフ場と違うところは、ポイントを稼いだ回答者は質問者にもなれるという事です。
(私もそんな位置にいます。)
つまり、回答でポイントを稼いだ回答者を質問者にして、ポイントを循環させないと単なる手数料ビジネスで終わってしまう事です。

アマゾンや楽天に換えられてしまうと、その手数料で完結してしまいそれ以上の収益は望めません。
しかし、質問に循環すればそこからまた手数料が徴収できます。
回答者も質問者と同様に保護をしないとせっかくのポイントが外部に流出してしまうという事です。

このビジネスモデルは諸刃の剣なのです。


それなのに「はてな」は質問者への過剰な保護を行い、回答者を選別し始めました。
つまりは嫌われ者は去れという事です。
確かに、不良回答者やポイントゲッターと呼ばれるユーザーは存在します。
わたしもこのダイアリーでその事について批判をしました。
しかし、現在の仕組みに於いては優良回答者といわれる方々も、一部のユーザーの恣意的な価値観で回答不能に追い込まれています。
はたしてこれが健全なナレッジサイトの姿なのでしょうか?


私がいつも思っている事は、質問者と回答者は同等であるという事です。
どちらかのバランスが崩れると、力を持った方が暴走を始めます。

今までは、どちらかといえば回答者に優位に働いていました。
それが不良回答者問題へとつながった訳です。

しかし、今回の騒動で中立になるべきところが質問者に傾きはじめたのです。
回答者のシーソーが傾き、滑り落ちた不良回答者の他にそこに残っていた一般回答者もシーソーから降り始めました。
これでは質問者への比重がもっと重くなり、回答者がいなくなるのではないでしょうか?


10問以上の回答者は2月で223人しかいませんでした。(全体の回答者の15.86%)
この事を考えてもある少数の回答者が人力検索で一定の役割を背負っているのでしょう。
回答拒否問題でこの数値がどうなるか見ものです。
このままでは、質問が増えてもそれに対する回答が増えない事態が予想されます。
一時的な現象として捕らえる事ができるのか? それともこのまま衰退していくのか一体どちらなのでしょうか?