酔いがさめたら、うちに帰ろう。


酔いがさめたら、うちに帰ろう。

酔いがさめたら、うちに帰ろう。


3月20日に亡くなった鴨志田穣氏(漫画家西原理恵子さんの元夫)の最後の著作である。

鴨志田氏が亡くなったのを知ったのは、ネットのニュースだった。 最初は、故中島らも氏と同様にアルコール依存症が原因だと思ったが、ニュースを読むと腎臓がんだったそうだ。

昔から西原さんの漫画のファンで「まーじゃんほうろうき」の頃から愛読していた。

その後、西原さんの漫画に鴨志田氏が登場する様になり、鴨志田氏の文章が西原さんの漫画よりも面白くなり、「アジアパー伝」や「鳥頭紀行」を何度も読み返した。

アルコール依存症が元で西原さんと離婚したのは知っていたが、その後の著作を見る事がなかったので、私の頭の中からは消えかかっていた。

だから、42歳の若さで亡くなった事を知り、驚きと悲しみで一杯になった。

最後の著作の「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」を亡くなった翌日、本屋で読んだ。

アルコール依存症で精神病院に入院した事をエッセイにしていた。

入院中に気胸を患い、退院寸前に腎臓がんが見つかって、西原さんと再度暮らし始めるところでエッセイは終わっている。

鴨志田氏は、その後腎臓を摘出したそうだが転移が見つかり、それが死因になった様だ。

中島らも氏もそうだが、繊細な人ほどアルコール依存症になりやすいらしい。 鴨志田氏も文章を読む限り、自分を冷静に見る事ができる人だと思う。

だから、アルコールに溺れていても覚めていたのではないだろうか?


私は、酒が好きで14歳の頃から飲んでいる。 しかし、ここ2年は回数も量も急激に減った。

身内にアルコールが原因で病気になった人が多すぎる為、なんだか酒を飲むのが嫌になったのであろう。

自分一人が酒に負けて病気になるのはしょうがない事で、それ自身は容認もしないが「まあ勝手にしてよ」という気持ちである。

しかし私の周りの人達は、さんざん迷惑をかけた上で入院ざたを起こしたり、離婚問題に私を巻き込んだり、挙句の果てには実の兄はうつ病と離婚と酒のトリプルパンチで自殺までしてしまった。

私は騒動に巻き込まれるまでは酒が好きで、依存症にならない程度の酒はいつも飲んでいた。

それが2年前からそんな事が続く様になり、酒への興味が急速に無くなってしまった。

鴨志田氏にしても中島らも氏にしても酒を止める事ができれば、もっと長生きしただろうし沢山の著作を残す事もできたであろう。

その事が残念でならない。