技術かココロか?(私の「はてな」考 その1)


人力検索のユーザー離れが相変わらず止まりません。
今年の3月に質問者が1000アカウントを下回ったのですが、先月(7月)回答者についても1000アカウント*1を下回ってしまいました。


原因については前々から言及している通り、例の回答拒否設定問題が一番大きいと思うのですが、どうやらそれ以外にも人力検索には問題があるようです。
質問者が固定化されて(特に放送作家トリビアの収集に利用しているらしい)いるとか、一部の回答者が相変わらず、回答にならない回答を書いて、質問者を失望させるとか…
利用者たるユーザー自身が人力検索の衰退を招いた一番の原因だとは思うのですが、今回はそれ以外の原因を考えてみたいと思います。


常々「はてな」という会社は技術をアナウンスしてインターネットの中で影響を誇示しています。
それは企業戦略としては至極当然の事であり、利益に繋がるのであればどんどん行うべき事だと思います。
しかし、技術ばかりが前面に出てユーザーサポートには、ほとんどと云っていいほど力を注いでいません。
コミュニケーションサービスを提供している会社であれば、多かれ少なかれユーザー間のトラブルは付き物でしょう。
ただ、ユーザー間のトラブルというのは、企業に取っては一種のチャンスと捉える事ができます。
トラブルを円満に解決すれば、当該のユーザーはサービスを提供している会社に対して信頼を得る事ができますし、当事者以外でも、トラブルの全容を知ったユーザーについても同様の信頼を得る事ができ、それがユーザーを増やしていく事になるでしょう。
しかし、「はてな」に関しては全く逆の事が行われています。
はてな」はユーザー間のトラブルには全くと云っていいほど介入をしません。
それどころか、逆にユーザーから訴えられる始末です。
トラブルを放置した結果、ユーザー同士の対立を生み、最後にはユーザーが「はてな」から去って行ってしまうという悪循環に陥っています。
人力検索利用者の減少は、「はてな」自身がリアルに分かっているはずです。 なのに手をこまねいて何もしないばかりか、新サービスにばかり資源を集中させ、会社の技術ばかりを前面に押し出しています。
それが「はてな」の考えであり近藤社長自身の考えであれば、ものすごく悲しい事です。


私はコンピューターエンジニアを離れてしまいましたが、エンジニアだった頃会社の上司や先輩、派遣先のプロパーの方に言われた事は、「使う人の事を考えてシステムを構築する事」です。 それにはユーザーサポートやアフターサービスが当然の事ながら含まれています。
コンピューターの技術進歩というのはソフト・ハード共に日々目覚ましいものがあるのですが、新しいものに飛びついてシステムを構築すると、エンジニアは自己満足に陥りユーザーをないがしろにしたシステムになってしまい、最後にはユーザーは使わなくなってしまいます。
そういう事にならない為には、ユーザーの考えを十分に聞き、それをシステムに反映させる事です。
また、カットオーバー以降でも不具合というものは発生しますので、それについても即座に対応し、金銭や人員に余裕があるであれば、できる限りの仕様変更には柔軟に対応する事も必要です。
それが普通だと私は思っていました。 しかし、「はてな」はこういった普通の考えが通用しない会社らしいです。


人力検索に限らずユーザーサポートは金銭を生みだしません。それどころか支出を生むだけのサービスです。
だからといってユーザーサポートをないがしろにしてしまうと、ユーザー離れを一気に加速してしまう事になり、そうなればユーザーは他社のサービスに流れてしまいます。
他社のサービスへ行ったユーザーは二度と帰ってきません。
これが今の「はてな」の現実です。


はてな」(近藤社長)が社員に対してどういった教育をしているのかは知りませんが、ユーザーサポートを重要視していない事は確かです。
今の「はてな」は技術ばかりが先行していますが、技術にココロが入っていなければ、最後には誰もその技術を利用しないでしょう。
人力検索は今、その時期に近づいています。 もしかしたら、もうその様な状況が発生しているのかも知れません。
今の様にユーザーをないがしろにするのであれば、人力検索は即刻廃止してユーザーの気持ちを考えたサービスを再構築すべきです。
それができないのであれば、ユーザーサポートに力を入れて利用するユーザーを増やす事に努めるべきです。
それさえも出来ないのであれば、人力検索が徐々に衰退していくのを見守るだけです。

*1:人力検索利用者:質問者925アカウント・回答者983アカウント