はてなマル秘議事録(パロディ)


goldwellさんの質問「【大予想!2009年の人力検索はてなはこうなる!】」(Q:1228313115)に回答しようと思い、色々考えていたのですが時間切れになってしまいました。
昨日なんとかパロディとしてまとまったので、記念としてアップしておきます。

2009年某月某日 はてな社内である会合が行われた。
出席者は代表取締役のJK氏、取締役のK氏、H氏、社外取締役のU氏、執行役員のI氏、JK氏夫人の6名。

議題は2007年より衰退の一途をたどっている「人力検索の今後について…」
人力検索はユーザー離れが著しく、PV数は2006年の半分まで落ち込んでいた。
クリック広告に頼るはてなとしては、人力検索のページから得られる広告料の減少について、今まで何ら対策を取らないでいた。
そもそもユーザーから得られる手数料ではサーバーの維持費さえも出せないビジネスモデルにおいては広告料が最大の収入源であった。 今やその広告料の減少は、はてなの命運を左右する事態になっていた。
広告料収入の激減を危ぐしたJK氏は対策会議を開き事態の打開を図る事にした。

ではその議事録の一部を公開しよう。

 K氏「お手元の資料をご覧下さい。 2006年秋より人力検索の利用者は減少し続けています。 ここは利用者を増やしPV数を増やさなければ、人力検索で発生する赤字を解消する事ができません。 この状況を打破する為には人力検索にアクセスするユーザーを増やし、PV数を増やす様にしなければなりません。 さもなくば人力検索のサービス中止しか方法がなく…」

JK氏人力検索は毎月幾ら赤字を出しているのか?」

 H氏人力検索の赤字は毎月○○万円になり、累積では○○○○万円に達しています。 今のところサーバーの利用料や通信費についてはブックマークやダイアリーの利益で賄う事ができますが、メンテナンスのかかる人件費が全くの持ち出しです。 人力検索はうるさ型のユーザーが多いですから、質問箱にきたメールの返事を書くだけでも大変です。このままでは新規の開発費用どころかメンテナンス費用さえも捻出できません…」

 I氏「赤字を垂れ流す人力検索はサービスを終了して、他のサービスに人的資源や投資を集中すべきです。」

JK氏社外取締役のUさんはどう考えますか?」

 U氏「そもそもブックマークのイナゴユーザーの為に、私のネット業界での地位はがた落ちだ!!! ダイアリーに反論せずtwitterでこっそり批判した事も悪かったが… おかげで方々から非難をうけるし、ネットニュースでは笑い物になるし…(ぶつぶつ)」

JK氏(ややうんざりした口調で)「自分の事はともかく、人力検索についてどう考えるかを述べて下さい。」

 U氏(正気にもどって)「私もI氏の意見に賛成だ。 そもそも人力検索はそれ単体では利益の出るサービスではないし、「OK Wave」や「教えてgoo」がネット業界での地位を固めているので、これを追いかけるのは今となっては非常難しい。」

 H氏「確かに、「yahoo知恵袋」にも相当水をあけられていますしねえ… 今からシェアを奪い取るのは抜本的な対策を取らなければ…」

 K氏「他のナレッジサイドと違い人力検索のみが有料制を取っているのがネックになっていますね。 有料制だからといって回答の質が高いとは限らないし… そもそもユーザーが減少しているので満足な回答が集まらないという難点もありますから。」

 H氏「メインの質問者が放送作家らしいというのも問題です。 彼らはググったら分かるような質問ばかり立てるので、骨のある回答者はそれを嫌気して他のナレッジサイトに移っている様です。」

 I氏「回答者にも回答数の偏りが見られます。 一部のユーザーが大量回答をする事により一定量の回答をキープしておりますが、回答数上位のユーザーが人力検索から離れてしまったら、人力検索のシステムそのものが成り立たなくなってしまいます。」

 H氏「今や人力検索はプロの質問者とプロの回答者しかいません。 新規ユーザーはブックマークやダイアリーは使うけれども、人力検索は敷居が高すぎて敬遠されています。 このままでは人力検索はごく少数のユーザーでしか運営されない事になってしまい、PV数を増加させるのは極めて難しい状況に陥るのでは…」

 K氏「例の間接回答拒否問題もユーザーを減らした原因の一つですね。 質問者を重視するのは良かったのですが、一部のユーザーがこの機能を悪用して優良回答者を回答をできない状態にしています。 これもユーザー離れを起こしている一因になっています。」

JK氏「では、人力検索を利用するユーザーを増やす方法は何かあるのか? このままPV数が増えなければ人力検索を廃止しなければならない…」

 I氏「間接回答拒否を廃止すれば話は簡単なのですが、これをやってしまうと不良回答者を増やす事になり、ユーザー離れが加速する可能性があります。」

JK氏「じゃあ、運用方法を変えるとか?」

 H氏「小手先で運用方法を変えても、ユーザー増加につながるかどうか??」

 K氏人力検索はシステムが複雑ですから、大規模な変更には工数がかかりすぎます。 人力検索工数をかけるからにはPV数が増える保証がなければ… 今の人力検索には工数をかけるメリットがありません!」

JK氏「では、今の回答オープンにかかる手数料を廃止するのはどうか?」

 K氏「期間限定で行うのであればそれなりの効果はありますが、手数料の廃止となると少ないながらも売上が無くなりますので…」

 I氏「くだらない質問が増える可能性があります。 人力検索は他のナレッジサイトに比べれば自由度がありますが、これ以上くだらない質問が増えると逆にユーザー離れを加速してしまいます。」

 H氏人力検索にこれ以上資源投資は無理です。 廃止も視野に入れて考えるべきです。」

JK氏「しかし、人力検索はわが社の代表的なサービスだし…」

 H氏はてなと言えば今やブックマークになっています。 ほとんどのユーザーは、はてながナレッジサイトを運営している事さえ知りません。 これでは人力検索を運営するだけのメリットがあるかどうか…」

JK氏「Uさんは人力検索をどうしたらいいと思いますか?」

 U氏(こぶしを振り上げて)人力検索なんて過去の遺物の様なサービスは即刻廃止して、経営資源をブックマークにそそぐべきだ! その上でブックマークのネガティブコメントやタグをつける輩は厳しく取り締まるべきだ! アカウント停止もドンドンやってしまえ!(ぶつぶつ)」

JK氏(U氏の発言を無視する形で)「このままでは結論は出ない。 とりあえず人力検索は今のままで行こう。 どうせ文句を言っているのはごく少数のメンバーだろうし。 それよりもリニューアルしたブックマークをもっとアピールしてPVを増やすのが一番だ! ブックマークでトップシェアが取れれば人力検索なんてどうなったっていい。 どうせ誰も人力検索に期待なんかしていないんだから…」

 K氏「では、人力検索はこのままという事で。 ユーザーから文句が出るかもしれませんが、いつもの様にお茶を濁しておけば何とかなるでしょう。」

 H氏「そうですね。 人力検索のユーザーは全登録ユーザーの1%程度しかいませんし、そんなユーザーの意見を取り上げても、わが社にメリットはありませんから」

 I氏「じゃあ、とりあえず要望が出ている人力検索のアイデアを「他の方法・検討中」にしてチャラにしてしまいましょう。」

 K氏「アイデアがなくなれば人力検索にかける開発費用を大幅に抑えられますし、要望も聞かなくて済みます。 これぞ一石二鳥です!」

JK氏「該当のアイデアはみんなの意見を尊重してチャラにしよう。 後はうるさいユーザーからのメールだが、これはいつもの紋切型の定型メールを送っておけばいいだろう。 メールの返事さえしておけば、はてなの誠意は見せた事になるだろうから。」

 H氏「では人力検索は現状のままでよろしいですか?」

 一同「異議なし!!」

JK氏「では解散!」

こうして一部のユーザーの祈りもむなしく、人力検索は何も変わらないのであった。

注)この会議の内容はフィクションです。 登場する人物及び内容は全てシャレです。