遥かな町へ


先週墓参りの為に1年ぶりに郷里の鳥取に帰郷しました。
昨年のお盆は父親が結核に罹って帰郷を断念し、正月も父の介護があり久しぶりに実家に帰りました。
1泊2日の強行スケジュールでしたが、地元の温泉に行ったりして忙しいながらも充実した2日間でした。
ただ天気が悪くて、もう一つも目的だった風力発電の風車*1の写真を撮りたかったのですが、それが叶わなかったのが残念でした。
ついでに、「コナン探偵社」も見に行こうと思ったのですが…


亡くなった二人の兄は本が好きで、私も含めて小さな頃からとにかく本ばかり買っていました。
小説や漫画の類だけでなく、今は会社も無くなった「朝日ソノラマ」のムック本やウルトラマンガンダムの類まで色々な本が残っています。
実家に帰るとそれらの本を少しづつ整理するのですが、先日偶然に見つけたのは、谷口ジロー著「遥かな町へ」上下2巻でした。


wikipedia 谷口ジロー



この漫画は48歳の中年男性が郷里の鳥取県倉吉市にある母親の墓参りに行った時に急に意識がなくなり、気がつけば中学2年生(14歳)の自分に戻っていたという話です。
最初の話が平成10年で、14歳に戻った時が昭和38年なのでずいぶん昔の話です。
私が生まれたのが昭和43年。 倉吉に移り住んだのが昭和50年ですから、私が知っている倉吉より遥かに昔の事になります。
ストーリーは漫画を読んでもらえばわかるのでここでは書きませんが、この漫画にはもう無くなってしまった古い倉吉の町並みが詳しく描写されています。
私が小さかった頃に行った映画館(もう閉館してしまいましたが…)、町に唯一あったカレー屋さん。この時期桜がきれいな打吹山(天女伝説があるという有名なところです。)、漫画の表紙にもなっている土蔵群や商店街…


昔、街の中心街だった商店街や歓楽街は、今ではシャッター通りになっています。
しかし、土蔵が立ち並んでいるところは観光名所として再生しています。

今はたまにしか帰れない場所ですが、いつまでもこの風景が残って欲しいものです。


ネットで「遥かな町へ」を検索していたら、地元日本海新聞にこの漫画が映画になるという記事を見つけました。

日本海新聞 2008/02/03 谷口ジローさんの「遥かな町へ」 映画化へ知恵絞る (Web魚拓)

実際に動き出すのは少し先の話みたいですが、完成したら母とこの映画を見に行きたいと思っています。

*1:私の地元北栄町は北条砂丘に7基の風車を建てていて、実家からも見る事ができます。