道路特定財源って?
自動車に乗っていない人はあまり関係ない事であるが、ガソリンや軽油、自動車取得税・自動車重量税は、歳入として国の予算(一般財源)に繰り入れず、道路特定財源として、道路の整備にのみ利用されている。
昭和28年から現在まで延々と続いているこの制度。 なぜ、今までおかしいと誰も言わなかったのだろう?
いや、普通のドライバーは高いガソリン代に対して不満を持っているはずである。(私もその一人)
しかし、国会議員は誰一人として、ガソリンにかけられる高い税金(1Lあたり48円60銭)に疑問をもっていない。
本来、ガソリン1Lにかかる税金(揮発油税)は24円30銭である。
事の始めは、道路を整備のに多額の費用がかかるから、利用者であるドライバーに負担してもらういう名目である。
高速道路や国道が、未整備の頃であれば暫定税率として倍の税率をかけているのもうなずけるが、日本全国に舗装された道路が整備されている現在でも暫定税率がそのままになっているのが現状である。
その為に、日本のドライバーは世界でも類を見ない高いガソリンを買い続けている。
そもそも暫定税率であれば、目的を達成(道路整備)がすめば本来の税率にもどすべきである。
しかし、戦後60年も経ち、高速道路や国道がこれだけ整備されているのに、政府はまだ道路を作ろうと考えている。
私の故郷の鳥取県も長らく高速道路がない県であったが、この10年で高速道路も開通し、中国自動車道に接続する国道の改良工事も終わり、大阪へのアクセスが非常に良くなった。
少し前までは、アップダウンが激しい国道を通り険しい峠を越えて、やっとインターチェンジまでたどりついたものだったが、今は峠道も拡張され、制限速度60キロの道が出来て、非常に便利になった。
しかし一方では、畑や田んぼの真ん中に広い農道が整備されているが、1時間に数台が通るありさまである。
日本一人口が少ない鳥取県でさえ、国道や高速道路は整備されているのに、他の県にこれ以上高規格道路が必要なのだろうか?
そもそも、3兆円も集めて、年度末には使い切れなくて道路を舗装しなおしたりしている今日においては、どれほどの効果があるのだろうか?
土建業者は喜ぶかも知れないが、その他の人にはただの迷惑である。
グーグルで「道路特定財源」を検索して下記のHPを見つけた。
http://www.mlit.go.jp/road/zaigen/nani.htm
「国土交通省道路局HP」
このHPには道路特定財源の事をこう書いている。
道路特定財源は、道路の整備とその安定的な財源の確保のために創設されたものであり、自動車利用者が利用に応じて負担する、合理的で、むしろ今日的な優れた制度です。
すごい自画自賛である。 このHPを見て一般のドライバーはどう思うだろうか?
国の借金が危機的状況になっているのに、道路を造ってどうするのか?
これから少子高齢化でドライバーの人口も減りつづける。
長い目で見ると道路の利用者が減ると言う事であり、そんな事業に多額の税金つぎ込むのはどう考えても解せない。 ましてや、ガソリンには本来のガソリン価格に揮発油税を加えた金額に消費税かかかっている。
いわば、税金に税金をかける(二重課税)違法行為である。
国民は、本来の揮発油税に戻すか、さもなくば一般財源化する様に声をあげなければならないと思う。
与党と政府は、揮発油税の暫定税率を本来の税率にして、道路整備に余ったお金を一般財源にすると言う。
安部総理は、自民党の道路族議員の顔を立て、なおかつ国民には、余ったお金を一般財源に回して、三方一両損的な案でこの問題に決着をつけようと考えているようであるが、大きな間違えである。
国民をないがしろにする内閣は早晩なくなってしまうのではないだろうか?